その他

スピーカーキャビネットについて

2012年 02月 09日 05:23 | カテゴリー: その他
2012年 02月 09日 05:23
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最近、攻撃が多くアクセスしにくいことが出てきているようです。んで、サーバーメンテは欠かせないのですが、分析ツールなども見ています。

で、面白い検索ワードがあったので、今回はそれをテーマにしたいと思います。

 

キャビネットのスラントとストレートの違い

よく練習スタジオで目にする代表格のマーシャルアンプは、だいたい2段積み(キャビネット1つにアンプヘッドが乗る形)です。この2段積みに選択されるキャビネットは、スピーカーが4発入っているうち、上2発が少し上向きに角度が付いています。これが「スラント(角度付き)」と言うモデルです。もちろん、マーシャルに限らず、メサブギーやSoldanoなどの著名な2段積みでも同じように呼びます。

もう一つは、プロがステージ使う3段積み(アンプヘッド+スピーカーキャビ2つ)のうち、上にはスラントが使われることが多いですが、下は「ストレート」と呼ばれる、スピーカーが全て正面を向いたキャビが使われます。

まあ、たまにストレートキャビで2段積みなんて組み合わせもあります。「どっちが良いの?」と聞かれることもしばしばですが、ぶっちゃけ、使う場面で変わってくるわけです。

ですので、基本的なところから見ていきましょう。

 

スラントとストレート、音が良いのはどっち?

一番聞かれるのはこれなんですが、これも使う場面次第で変わります。スピーカーの個体差や使用頻度、移動の有無といった細かいことは抜きにして、スピーカーの状態は全部同じ、違うのはキャビネットだけという前提で説明します。

たとえばライブの場合、箱(ライブハウス)の中には、通常PAもあり、生音も出ている状態では、観客が入っていることを想定すると、「音の拡散」と言う意味で、「スラント」が有利です。まあ練習スタジオでも立って演奏したりすると、耳の高さにまで届かないものの、他のメンバーへ音が届きやすいです。

これがレコーディングになると、実は「ストレート」の方が良かったりします。よく雑誌なのでもプロがレコーディングの時に自分のスピーカーを飛ばして、急遽レンタルしたキャビを使って「こっちの方音が良いな」といって、そのままストレートを使うなんて話はよくあることで、意外とレンタルではストレートが多いんです(実はストレートの方が気持ち値段が安かったりするので。これに関しては後述)。

以前、仕事でスピーカー設計の第一人者であるY社のN氏に聞いたことがあります。スピーカーの音は通常、拡散するにもそのスピーカーを支えている表板を波上に拡散するそうで、本来1枚板でストレートの方が音は良いそうです。もちろん、キャビ内部の定在波などの処理もただの四角い箱の方が対策は取りやすいそうで、スピーカーを支える強度(振動を受け止めるという意味)としても1枚板のストレートが良いそうです。

ですから、スピーカーの個体差を考えず、4本が全く同じものとするなら、理論上はすべてスピーカーの鳴り方は同じになるので、音圧も均等になります。

 

スラントの良さは?

スラントは前述通り、「音の拡散性」が第一です。しかし、キャビが不均等な形だと内部定在波の処理などは、ストレートに比べて難しくなります。これが、ストレートより若干値段が高い理由で、一手間増えているからということです。

ストレートではスピーカーを取り付ける表板が1枚ですが、スラントでは2枚になります。ですので、上側と下側で2発ずつのスピーカーになりますが、その角度が付いた部分での表面を伝う音がぶつかり合うことになります。これを回避するための計算された角度になっているのですが、完全に影響が消せるわけではありません。スピーカーが上向きになる上の2発は、音の直進性からみて、スピーカーのダイレクトな音が強まり、下の2発と比べて前に出る音と、上に出る音が分離して拡散するため、キャビネットから出る音としては音圧が(ストレートに比べて)若干弱くなります。

この「音圧が弱くなる」というのは、2つの意味があります。1つは、ライブでもレコーディングでもマイキングがしやすいこと、もう一つは、音の通りが良くなる(「抜け」とは違い、スピーカーの仕事をまんべんなく収集できる)と言うことが挙げられます。

要はどっちも同じ事かも知れませんが、無駄な音圧がなくなることで、スピーカーのドライブした音は割とストレートに出ているということになります。なので、マイクにも余計な音圧を与えずにちゃんと近接で効果を狙うことができます。

 

ストレートの良さは?

4発のスピーカーで、1方向に向かう音が出ますので、スラントに比べて音圧が稼げます。ですのでロック調のリフなどは迫力出ますし、クランチ系のカッティングでも厚みが出ます。

ですが、スラントの逆で、マイキングはちょっと慣れないと良さが出ません。だいたいスピーカーのエッジに向けて録ることが多いのですが、音圧感を録るには若干距離を取ることが必要です。しかし、距離を取るとトーンが柔らかくなってきます。そこら辺が微妙なところですが、この音圧をしっかり録ろうと思ったら、いわゆる箱鳴りまで録らないと実際の音には近づきません。

なので、レコーディングでは、オンマイクとオフマイクの2本以上のマイクとか、オフにコンデンサーマイクで音質を余すところなく(ハイ上がりの音質と言うべきか?)録るとかの工夫が必要です。

また、どこかに書いた気がしますが、キャビに付いているキャスター(車輪)を全部取って地べたにおいて、バウンダリーマイクを併用するとかで音圧、箱鳴り感、低音をまとめてオンマイクなどとブレンドするというのはプロでも良くやる方法です。

この地べたに置くというのは、地べたから垂直に立ったスピーカーから出た音は表板を波状に広がり、低音は下の方へ流れていくそうなので、地べたにおいた方がより低音が生まれます。ですから、これはスラントにも言えますが、低音をカバーする1つの方法です。

 

サランネットの役目

サランネットを取ってスピーカーを露出させているのを、たまに見ますが、実はこのサランネットは、先ほどから出てきている余計な波上に広がる音を抑制するためにあります。もちろんスピーカーの保護が第一なんですが、サランネットがあるのとないのとでは、(音の)マイク乗りが違ってきます。

本来SM57などの楽器用ダイナミックでは、そんなに下の領域(低域)は録れないのですが、マイクをオンにすることで近接効果を使って音圧を稼いでいたりします。そのときにブーミーになりがちな低域を和らげてくれるため、マイクにとって都合いい音になるわけです。言ってみれば、マイクにウィンドウスクリーンをつけているようなものと思ってください。

どのアンプでもそうですが、複数発のスピーカー付いているなら、サランネットは外さない方が、無駄のない音でマイキングが可能です。