個人練習

ピッキングハーモニクスは弾き手の意志で決める

2012年 11月 10日 09:47 | カテゴリー: 個人練習
2012年 11月 10日 09:47
個人練習

Sound Magicianでは、基本的に機材の扱い方やセッティングなどを中心とした音作りのサイトなんですが、ここ最近の音楽、特にアニソンなどのハードな曲(かっこいい曲)では、ギタリストのピッキングハーモニクスが決めのフレーズの最後に必ずと言っていいほど入っており、フレーズのポイントにもなっています。

あまり奏法まで説明したことがなかったのですが、意外と初心者からの質問も多くありまして、答えておきたいなと思います。

 

そもそもピッキングハーモニクスとは?

文章で書くと、理解しにくいかも知れません。ピックを深めに持って、弦を弾くときにダウンでは親指(アップではピックを握った反対の指=多くは人差し指、中指という人もいますが)をこするように、ほぼ同時に弦にタッチすることで、ハーモニクスを出す技です。

ハードロックやメタルなどではおなじみの技です。ですから歪んだ音ではより効果的に聞こえます。

基本的な出し方は先ほどの通りなんですが、ピックをより弦に対して垂直気味にすると出やすいとか、堅いピックは出やすいとか言います。これはこれで間違いありません。

ですがプロはですね、そんな偶発的に出しているわけではなく、ちゃんと意図的にここで出すというところで決めるわけです。だから、フレーズの最後とか、オブリの決めで毎回同じところで出せたりするわけです。

初心者が意図的に出せないのは、慣れの問題もあるのですが、ポイントを掴んでいないからなんです。

 

ハーモニクスが出るポイント

Natural-Ham.jpg

ところで、ナチュラルハーモニクスはご存じですよね?良くチューニングに使う、12フレットや5、7、9フレットなどです。ここを開放で、左手で軽く触れることでハーモニクスが出ます。さらに4フレットちょっと下あたりや3フレットちょっと上あたりなどもハーモニクスのポイントです。

これらのポイントは、開放時の1/整数の位置です。つまり、弦長の1/2が12フレット、1/3が7フレット、1/4が5フレット...というように、ナチュラルハーモニクスは1/整数の位置で鳴らすことができます。

ナチュラルハーモニクスは、名前の通りナチュラル(自然に)出せるポイントです。ですから、特定の偶数倍の位置、つまり、1/2の12フレットや1/4の5フレットが実音の1オクターブ上と2オクターブ上ですので、チューニングに使える訳です。ちなみに、1/3の位置のハーモニクスでは実音の5度上でさらに1オクターブ上の音が出ます。

 

ピッキング位置との関係

ナチュラルハーモニクスでは、主にヘッド(ナットの0フレット)側を基準に説明しました。でもピッキングでハーモニクスを出すには右手、つまりブリッジ側のハーモニクスポイントを知らなくてはなりません。

Natural-Ham-rear_point.jpg

ナチュラルハーモニクスとの違いは、タッチする手(指)は弦を押さえる手ではなく、ピックを持った手であることです。右利きの人は右手(左利きの人は左手、以下略。右手とあれば、左利きの人は左手と読み替えてください)の親指(アップ時は他の指もあり)を使うわけです。しかもピッキング、ピックが弦をヒットして振り抜けたのと同時くらいにタッチ(こするように)するので、やはりハーモニクスポイントが集中しているリアPUあたりが出しやすいということになります。

ただし整数倍とはいえ、実音より離れた度数になることと、オクターブが上がっていくので、ハーモニクスが出にくくなってきます。整数値が上がるほど、ポイントが密集してくるので、正確な位置でヒットしないと音も出にくく、時にミスタッチのように聞こえるときもあります。ブリッジに手を載せている場合などに偶発的に出るピッキングハーモニクスは、このあたりを弾いているからです。

ですから、正確な位置をピンポイントでヒットすること、また、整数値が混み合って無い位置が鳴らしやすい位置となります。

 

狙って出すピッキングハーモニクス

そこで、狙いたいポイントは、ずばり1/2、1/4、1/8といった実音のオクターブ上(1/2は1オクターブ、1/4は2オクターブ、1/8は3オクターブです)を奏でるポイントです。

Natural-Ham-rear.jpg

前述の図のように開放弦で出すことはあまりないと思いますので、押弦したポイントで見てみましょう。例では4フレットを押弦しています。こうしたローポジションであれば、およそフロントPUのやや後ろあたりが1/4のポジション、2オクターブ上のハーモニクスが得られます。さすがに1/2ですとネック上になりますし、1/8ですとリアPUの直前で弾きにくくなります(ブリッジの上に手を固定する人は、割と使います)。ちなみに1/2のポジションは、よく右手(ピックを持った手)で弦を叩くようにしてハーモニクスを得ることもあります。

また、ミドルポジション(5~12フレットあたり)の押弦ですと、さらにポイントがブリッジ側に下がるので、実際に弾くのはやはり1/4が現実的です。ポジションによっては1/2と切り換えながら使うのも良いでしょう。

長年ギターを弾いていると、1/2や1/4あたりは体感的に覚えます。弾くポジションが変わっても追従できるように覚えると、右手のピッキング位置が変わりますが、狙ってピッキングハーモニクスを出すことが可能になります。プロが確実にピッキングハーモニクスを決めるのはこのポイントを知っているからです。

ローポジション(よく聞くのは3~5フレットの押弦)でなら、レスポール系ならおおよそフロントPU寄り、ストラト系ならフロントとミドルのPUの間でややフロント寄りあたりで、鳴らせます。

また、弾くとき(私の場合)の右手は、ピックを握った人差し指と親指で、人差し指の爪から→ピック→親指の横腹と、いっぺんに振り抜くと、ほぼ確実に出ます。この辺は各個人個人の癖や弾き方がありますので何とも言えませんが、まずは押弦したポジションに対してのピッキングのポイントを狙えるように練習すると良いと思います。右手をブリッジに載せたままだとこのポイントが狙えませんので、自由な位置でピッキングができることが初心者脱却の第一歩です。

 

やっぱり音質は語りましょう

これも人それぞれではありますが、音質的にはやや甘めのほうが効果的です。鳴らすのはもちろんリアPUがほとんどですが、あまりに堅い音で弾くと、実音と1/2のオクターブ上、または1/4の2オクターブ上の音の区別がつきにくく、せっかく決まっても埋もれがちです。

堅めの音(抜けは重要ですので)でも、気持ちTrebleやPresenceを落とした方が、たとえば歌モノであれば、歌も引き立つし、ピッキングハーモニクスもより目立ちます。

また、ギターは同じでも、アンプで歪ますよりエフェクターの方がなぜか決まりやすいです。感覚的な問題かも知れませんが、レンジの問題かもしれません。ラインの方が余すところ無く信号が行き渡るとでも言いましょうか、経験的にエフェクターの方が良いです。とはいえ、決める人はアンプだろうがエフェクターだろうが、決めまくります。

いろいろ試してみるのも良いと思います。