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Zoom G3 銘機の歪みソロ(解説編)

2014年 01月 07日 04:08 | カテゴリー: Recording
2014年 01月 07日 04:08
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仕事先のとある上司の方が、実はプログレマニアであるということが発覚しまして、ここのところよく聞いているのはなんとPInk Floydであります。んで、さらに歪み系のエフェクターをYou Tubeやレビューを見て物色していると、「PInk Floydのあの人の音」といったFuzzばかりが目に付きます。また、先の記事で登場してくれたT君からも「Big Muffいくつか持ってますけど、試してみます?」ってお誘いもあり、ここのところFuzzついています。

でもって、Pink FloydのギタリストというとDavid Gilmour氏ですね。この人の歪みというともちろん、トライアングルやラムズヘッドといったBig Muffが有名ですね(レコーディングでは必ずしもBig Muffじゃないことが多いようですが)。

そういえばZoom G3でもなかなか良いBig Muffのモデリングがあったっけな...ということで、今回の音作り実践は、デビッドギルモア氏の音です。

アーティストの音を作るのは、実はあまりやらないのですが、ギルモア氏の音って昔からあまり変わらないのに今でも通用するからすごいわけで、こうした自分だけの音、誰が聞いてもすぐにわかる音ってのがこのサイトの目指すところでもあります。と、かっこつけるのはさておき(汗)、実はエフェクトについては迷わずサクっと選べたので、載せておきます。

 

2つの主なエフェクト

さて、ギルモア氏を語るなら話しておかなくてはならないエフェクトが2つあります。

まずはFuzzの銘記、Big Muffです。これについてはかなり詳しいサイトが幾つもあるのでググってもらうとして、簡単に説明します。

Electro Harmonix社の代名詞ともなるこのFuzzは、俗称トライアングル(3つのつまみが三角形に並んでいる)と呼ばれる初代機に始まり、2代目ラムズヘッド(トップにプリントされた女性のイラストが羊に似ている)、3代目(特に俗称はない=強いて上げればオリジナルNYCという人もいます。現在これのリイシュー版が出ており、たぶんこれが一番馴染み深いはず。さらに2バージョンあります)、Civil War(シビルウォーと呼びます。グリーンロシアンの前にごく少数のみ生産されたロシア版Big Muffの初代機)、グリーンロシアン(見た目そのまま)、ブラックロシアン(同じく)、そして現在のNYC版(これが先ほどのリイシュー版。生産がロシアからニューヨークに戻ったのでNYC版と言われる)というのが大きな流れです。

それぞれのモデルが結構特長的であり、さらに同一モデルにおいても個体差が激しい(同一モデルでパーツすら違うモノがある)ので、実際に弾いてみないと良いかどうかわからないという一種の賭事のようなエフェクターです。ラムズヘッドが10台あれば、10台とも音が違うのです。

そしてギルモア氏が使っているのは(ポンペイ以降で主にライブでのはず)初代機トライアングルとラムズヘッド(こちらの使用頻度が結構高い)です。特にこの2機種は3代目以降の超轟音Fazzではなく、ややダークな音でゲインが少し低くなっており、割りとコントローラブルなFuzzです。と言ってもこの2機種は、他社のFuzzとは比べられないくらい轟音系のFuzzで、そのサステインには定評があります。

そしてもう一台は初期のディレイの銘機、Binson EchoRecです。これは、当時流行っていたのは、これまた銘機であるテープ式のEchoplex。しかしEchoplexより遙かに高価なスタジオ機器として流通していた(要は普通に見る機会がない)のですが、Pink Floydがレコーディングで使ったという話が出てから、有名になったと言っても過言ではありません。

特長はテープ式ではなく、金属のドラムにマルチヘッドという構造で、テープのように柔らかい音ではなく、しっかりとしたクリアな音質が得られます。もちろんテープではないので、そのドラムの寿命は40年持つという触れ込みでした。実際にギルモア氏のDVDなんか見ると、未だにステージで使っていたりします(もちろんメンテは必要ですけど)。

また、マルチヘッドならではのリズミックなディレイが可能です。Pink Floydの「One of These Days」のイントロのベースのフレーズとか、「Run Like Hell」のイントロのギターとかは、マルチヘッドディレイならではの効果が聞けます。

 

エフェクト解説

1. ノイズリダクション
1. ノイズリダクション = 005 ZNR
Thrsh Detct Level
7 GtrIn 100

このエフェクトは、そんなに重要ではありません。元々他のプログラムがあるパッチに切り換えていったので、たまたま最初段にあり、手をつけずに残ったモノです。まあ、シングルPUではノイズを抑えられるので残しておいた程度に考えてください。OFFでもかまいません。

 

2. ファズ
2. ファズ = 026 GreatMuff
Gain Tone Level
70 43 100

今回のキモ第1弾はこれ。そのままのBig Muffのモデリングです。まあ、こうしたマルチの中でのモデリングなので、轟音感は全くありません(本物は繋いだだけでわかるくらい、出力レベルが高いです)。ですが、どうでしょう。聞いた感じは3rdの歪みに近いかと思います。Big Muff独特のトーンコントロールも素直な普通のモノとなり、本物とは似つかないのですが、歪み方は良く似ていると思います。Big Muffでも特定範囲のトーンの中(限られた範囲)でなら十分な雰囲気を出しています。トーンはかん高くならないくらいに落とし気味にして、ゲインは十分サステインが出るくらいのセッティングです。

 

3. アンプモデル
3. アンプモデル = 050 HW Stack
Gain Tube Level Trebl
43 35 106 47
Middl Bass Prese Cab
57 51 27 HW Stack 4x12

これもギルモア氏を知っている方なら迷わずに選べるHiwattのスタックアンプです。Custom 100と書いていますが、品番ではDR-103でしょうか。これもチューブアンプなので、Tubeをちょい上げでコンプレッション感を出します。3バンドは、どれもほぼフラット(50前後)といったところで、Prese(Presence)で高音の抜けを作っています。また、Fuzzのブーミーさが気にならない程度に軽くMidを上げて太く仕上げています。

余談ですが、どうもこのG3のアンプモデルはどのモデルもEQ全部50の位置がデフォルトのようで、さらにただのグライコのよう(いわゆるピーキングEQ)にできているよう。つまり、本物のアンプのようにある程度の幅を持たせての増減のように聞こえません。あまりにも増減が素直すぎるような気がします。これが本物のアンプですと、もう少し隣り合ったバンドの相互影響がある(つまりQ幅のなだらかな部分が重なり合うことで、隣り合ったバンド同士の中間の周波数も増減するということ)ように聞こえます。

実際の設計がそうなっているかはわかりませんが、僕が聞いた聴感上での話です。これが初心者には音作りがしやすい1つの要因ですが、本物を知っていると幅が狭い、またはピーキーに感じるEQです。なので、アンプモデルも最初はデフォルト(すべて50)から初めて、増減していくという決め方が、どんなアンプモデルでも音が作りやすいと思います。

 

4. コーラス
4. コーラス = 068 VintageCE
Comp Rate Mix Level
3 32 55 100

実はこのエフェクトは後付けです。本来なくても良いモノだったのですが、後ろのディレイがデジタルなだけに素直すぎるので、艶を与えるために入れています。気持ち「揺れ」を足したくらいです。ちなみに前述のEchoRecはモジュレーションもかかります。だから、Mod Delay(モジュレーションディレイ)を選択してみたところ、ちょっと揺れが気持ち悪くなりました。なので、後者のきれいなディレイを優先し、ちょっとした揺れと艶をこのコーラスで作ります。不思議とギター音に味が出てきます。このくらいのコーラスなら揺れはさほど感じないので、ディレイの前にコーラスを置くと、原音ごと揺れている(艶のある)音をリピートするので、気持ち悪くなるほどの揺れは感じず、ピッチ感を保ったままのごく軽い揺れになります。

ちなみにディチューンやプリディレイが入ったコーラスでは、ちょっとわざとらしくなったので、自然さをポイントにこのVintageCEをセレクトしました。でも、このコーラスは好みでOn/Offを決めても良いでしょう。

 

5. ディレイ
5. ディレイ = 091 DynaDelay
Time Sense Mix F.B
360 -1 55 42
Level      
100      

さて、実は悩んだのはこのディレイで、EchoRecと知っているからには、マルチヘッドのディレイをセレクトしたかったのですが、そんなプログラムはありません。ディレイの2段掛け(ショート+ロング)も試しましたが、今イチしっくりきません。マルチタップでも雰囲気は出ましたが、ディレイタイムを合わせるのが一苦労。なので、ここはちょっと別な曲のセッティング「Run Like Hell」のようなセッティングなら似るのかな?と思い、ピッキングの強弱でディレイの出力音が変化するDyna Delayを選択。低音単音でのミュートを刻みながら、アクセント的にコードが入る、例のフレーズです。実際、歪みを切ってやると「あ~こんなもんだ」とうなずくくらい、マッチしました。ディレイ音としては素直すぎるのですが、ちょっとした揺れは前述のコーラスでできているので、後は弾き方でどうにでもなります。

ちなみにTimeは気持ちよいところですので、ここは曲のテンポに応じて任意でよいです。まあEchoRecの最大ディレイタイムが約350m/secですので、後述のサンプル曲ならこんなモノかな?と思います。

 

6.  リバーブ
6. リバーブ = 098 Hall
Decay Tone Mix PreD
7 7 40 26
Level      
100      

リバーブもあってもなくてもよいのですが、音源との馴染みを良くするために入れています。なので、広い雰囲気を出すためにHallを選択しました。あとはMixを任意で調整してみてください。

 

 

毎度のごとく、G3は解説編と実践編に分けますので、引き続き実践編ではいつものようにサウンドサンプルが用意してあります。聞いてみてください。

下にある「次ページ」で実践編に飛びます。